【ワンルーム投資】金利上昇時代のオーナーが取るべき運用|家賃を見直して収支を守る4つの視点

監修:株式会社nodomaru 管理・売買責任者 村上潤 宅地建物取引士

宅地建物取引業 東京都知事(02)第104535号 / 全日本不動産協会 所属

「投資用ローンの金利が上がって、月々の返済が増えた。でも、入ってくる家賃は購入したときのまま――」

こう感じているワンルームオーナーの方は少なくないはずです。金利上昇は自分ではコントロールできませんが、「家賃を見直して収支を守る」という行動は、オーナー自身の意思で始めることができます。

本記事では、金利が2%から3%へ1ポイント上がったときの返済増加を具体的に試算し、それを家賃の見直しでどこまで和らげられるかを整理します。単に「家賃を上げれば安心」ではなく、必要な改善額を把握し、実現できる賃料を確認する視点で、管理・売買責任者の立場から正直にお伝えします。

【この記事の結論】

  • 金利2%→3%への1ポイント上昇で、借入残高3,500万円・残35年の元利均等返済では月々約18,756円(約16.2%)の返済増。35年続けば総返済額は約788万円の差になる
  • 月3,500円の家賃増額で年42,000円、5年間で21万円の収入増。返済増をすべて吸収はできないが、負担増のクッションになる
  • 家賃の増額は売却時の評価にも影響(月3,500円増を年42,000円の純収益増と仮定し、還元利回り4%で単純計算すると105万円の評価差)。ただし「必ず高く売れる」ではなく「金利上昇による下押しを和らげる効果」として捉える
  • 家賃は待っていても上がらない。周辺相場との比較・契約内容と賃料改定履歴の確認・更新協議・退去後の募集賃料見直しから始める
  • 「ローン金利が上がったから」を増額根拠にはしない。周辺相場と契約条件に基づく協議が原則
  • 賃料見直しを運用に組み込む役割として、1Rプロパティマネジメントを検討する

この記事でわかること

  • 金利が1ポイント上がったときの、返済増加額の具体イメージ
  • 月3,500円の家賃見直しが、返済増をどこまで和らげられるか
  • 家賃の増額が、売却時の評価にどう関わるか(収益還元の考え方)
  • 家賃を上げるために、オーナーが今日から確認できる5つのこと
  • 賃料見直しを運用に組み込む「1Rプロパティマネジメント」の役割

 

金利は上がっているのに、あなたの家賃は何年前のままですか?

金利の先行きを、オーナー個人が予想することはできません。それより大事なのは、自分の物件の収入を見直せているかに目を向けることです。

「毎月の返済は増えているのに、入ってくる家賃は購入時のまま」――この状態が続くと、収支は静かに悪化していきます。しかも、金利上昇の影響は返済額としてすぐ数字に表れる一方、家賃は「入居者との交渉」を経ないと動きません。

だからこそ、金利の先行きを気にする前に、手元の家賃が周辺相場から乖離していないか、契約更新時に見直しを検討してきたかを、まず自分の運用として確認するのが第一歩です。

金利が1ポイント上がると、返済額はどれくらい増えるのか

「金利の上昇幅」と「返済額の増加率」は、感覚で思うほど一致しません。具体的なモデルで見てみます。

仮定シチュエーション:借入残高3,500万円・残り35年・元利均等返済。年2%と年3%で、それぞれの金利が残期間中続くものとして比較する。諸費用・ボーナス返済・返済額の据置措置は考慮しない。

  • 年2%:毎月の返済額 約115,942円 / 総返済額 約4,870万円
  • 年3%:毎月の返済額 約134,698円 / 総返済額 約5,657万円

 

金利が2%から3%へ1ポイント上がると、毎月の返済額は約18,756円(約16.2%)増える計算になります。同じ金利が35年間続けば、総返済額の差は約788万円にもなります。

※これは金利差の影響を説明する為に用いた数値ですが、実際の負担額や反映時期は、各ローンの条件・変動幅・見直しルールに応じて異なるため、必ずご自身のローン契約書でご確認ください。

家賃の値上げは、毎月の負担を和らげる

仮に月3,500円の家賃増額が実現すれば、年間の収入は42,000円増えます。5年間受け取れれば、合計21万円。

前項の例に当てはめると、月約18,756円の返済増に対して、月3,500円の家賃増がクッションになるという関係です。もちろん、増額分の全額が手元に残るとは限らず(税や関連費用の増加もあり得ます)、負担増を完全に吸収するものでもありません。

ここでお伝えしたいのは「少し上げれば安心」という単純な結論ではありません。自分の物件で必要な改善額を把握し、実現できる賃料水準を確認する――そういう順序で運用を整えていくことの意味です。

家賃の上昇は、売却時の評価にも関わる

投資用不動産の価格評価では、その物件が生む収益が重要な材料になります。ここで、収益還元法の考え方を単純化して紹介します。

月3,500円の増額が、そのまま年間42,000円の純収益増になると仮定します。還元利回りを4%で一定とした単純計算では、以下のような評価額の差が生まれます。

42,000円 ÷ 4% = 105万円

ただし、これは「必ず105万円高く売れる」という意味ではありません。金利上昇などで買主が求める利回り(表面利回り・実質利回り)が高まれば、評価額は下押しされます。家賃の増額には、その下押しを和らげる効果が期待できる――そういう説明として捉えてください。

収益還元法の詳しい考え方については、「不動産の鑑定評価に関する法律」(e-Gov法令検索)もご参照いただけます。

家賃は、待っているだけでは上がらない

金利上昇に対抗するために、オーナー側から始められる5つの確認事項を挙げます。

  1. 周辺の類似物件と比べて、今の賃料が低いままになっていないか(ポータルサイト・地元不動産会社への問い合わせで概算把握)
  2. 入居中の契約内容と、賃料改定履歴を確認しているか(何年契約か、更新時に改定検討がなされてきたか)
  3. 更新時などに、根拠を示した増額協議を行っているか(周辺相場・経済事情・契約条件を踏まえた協議)
  4. 退去後の募集で、以前の家賃をそのまま使っていないか(新規募集は最も見直しやすいタイミング)
  5. サブリースの場合、入居者の家賃増額がオーナーの受取額に反映される契約か(契約書の条項確認が必須)

 

なお、入居中の増額交渉は周辺相場・経済事情・契約条件などを踏まえて協議するのが基本です。「オーナーのローン金利が上がったから、その分を当然に転嫁できる」という理屈は、法的にも実務的にも通用しません。増減請求の考え方については、借地借家法(e-Gov法令検索)もあわせてご参照ください。

家賃を上げる運用まで、管理会社に相談できていますか?

一般的な賃貸管理は、家賃の受け取り・入居者対応・退去精算といった「今の運用を維持する」業務が中心になりがちです。しかし、金利上昇時代のオーナー運用に本当に必要なのは、「家賃を上げる余地を能動的に調べ、適切な時期に交渉や募集条件の改善を実行する」役割です。

nodomaruが提供している1Rプロパティマネジメント(1RPM)では、通常の賃貸管理業務に加えて、以下のようなオーナー収支改善の取り組みを行います。

  • 周辺相場の継続的な調査と、賃料見直し余地の把握
  • 契約更新時の増額協議サポート
  • 退去後募集での適正家賃設定と、募集条件の改善
  • サブリース契約の見直し余地の確認
  • 管理コスト(管理手数料等)の削減
  • 保有継続 or 売却の判断に必要な収支シミュレーション

 

もっとも、増額が難しい物件では無理な値上げを前提にせず、保有継続の是非も含めて収支を再検討することが誠実な運用です。無理を承知で値上げを進めると、入居者との関係悪化・退去リスクにつながることもあります。

1RPMの詳しい仕組みや、なぜnodomaruが「集金代行」ではなく「プロパティマネジメント」と呼ぶのかは、なぜnodomaruは「集金代行」ではなく「1Rプロパティマネジメント」を行うのかや、【管理費0円は怪しい?】ワンルーム管理の仕組みと費用条件を正直に解説もあわせてお読みください。

金利上昇時代を、家賃見直しで乗り切る

金利が上がり、返済が増える。その一方で、家賃は何年も変わらない――この状態が続けば、オーナーの収支は静かに悪化していきます。

金利の先行きを、オーナーが決めることはできません。しかし、今の家賃が適正かを調べ、見直しに動くことはできます。

保有を続けながら金利上昇に対抗する。その運用の中心は、家賃を上げることです。

今の家賃には、どれくらい見直しの余地があるのか。まずは、ご自身のワンルームの収支と賃料を確認するところから始めてみてください。

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