【中央区オフィス移転】セットアップ vs 自社内装、どちらを選ぶべきか|2年と7年で正解が変わる

オフィス移転を検討するとき、多くの企業が最も悩むのは「どのエリアに移るか」よりも「どんな契約形態を選ぶか」です。

近年、中央区でもよく選ばれている2つの選択肢があります。それが「セットアップオフィス」と「自社内装オフィス」。どちらが正解かは、会社のフェーズ・成長見通し・ブランディング戦略によって変わります。

当社(nodomaru)は実際に、2022年に八丁堀のセットアップオフィス(50坪)に入居し、2025年に水天宮の自社内装オフィス(65坪)へ移転しました。両方を経験したからこそ見えてきた判断軸とリアルなコスト比較を、本記事で正直にお伝えします。

「自社の場合はどちらか」を判断する材料として、ぜひ最後までご覧ください。

① セットアップオフィスとは

内装・什器・(通信設備)が既に整っている状態で貸し出されるオフィスです。入居後すぐに業務を開始できる即効性が最大の特徴です。

仕組み・特徴

セットアップオフィスには大きく2タイプあります。

  • フルセットアップ:すべての什器・設備が揃っており、PCとメンバーさえいれば翌日から業務可能
  • ハーフセットアップ:会議室など一部に什器がセットされ、執務室は空(自社の机椅子を持ち込む)

どちらも「内装工事不要・すぐ稼働できる」点が共通しています。

なぜ坪単価が相場より高いのか

セットアップオフィスは、周辺相場より坪単価が5,000〜10,000円ほど高いことが多いです。理由は明確に2つあります。

1. 内装工事費が月額家賃に転嫁されている

会議室の什器、おしゃれな内装、Wi-Fi、複合機等、初期に貸主が投資した費用は、毎月の家賃に分割で乗せられています。入居者からすると「内装費を月額分割で支払っている」イメージです。

2.「機動力」というサービス価値が含まれている

通常のオフィス移転には2〜3ヶ月の準備期間が必要ですが、セットアップなら1日で引越し完了・翌日から営業開始が可能です。この時間的価値も家賃に内包されています。

つまり、坪単価の高さは「単に割高」ではなく「内装費と機動力を月額化した結果」と理解するのが正確です。

メリット

  • 即時稼働できる(1日で引越し完了も可能)
  • 内装費の初期負担がゼロ
  • フリーレントが多めにつくケースもある(1ヶ月〜半年)
  • 退去時の原状回復負担が軽い場合がある

デメリット

  • 坪単価は相場より割高
  • 内装の自由度が低く、ブランディング表現は限定的
  • 長く使うほど累計コストが高くなる
  • 物件数が限られる(中央区でも全体の1割弱程度)

② 自社内装オフィスとは

スケルトン状態または一般的な事務所仕様の物件に入居し、自社の費用で内装工事を行うタイプです。物件選びから引渡しまでに時間はかかりますが、その分自由度が高いのが特徴です。

仕組み・特徴

  • スケルトン物件、または既存内装を活用する物件に入居
  • 内装工事は自社で発注・設計
  • 工事規模は会社のグレード・広さで数百万〜数千万円のレンジ
  • 中央区でも古いビルなら坪単価10,000〜12,000円台で借りられるケースあり

メリット

  • 物件単価が安い物件を選べる
  • 内装で会社の世界観・ブランドを自由に表現できる
  • 採用ブランディングにオフィスを「資産」として使える
  • 長く使うほど累計コストが下がる
  • 内装は耐用年数に応じて経費処理(減価償却)できる

デメリット

  • 初期投資が重い(数百万〜数千万円)
  • 工事期間が2〜3ヶ月かかる
  • 退去時に原状回復義務がある(坪50,000-70,000円前後が相場)
  • 物件選定〜引渡しまでに半年程度の準備期間が必要

③ コスト比較|当社の実例で見る7年シミュレーション

ここからは、当社が実際に支払ったリアルな数字をもとに、セットアップと自社内装のコスト構造を比較していきます。

ケース1:八丁堀のセットアップオフィス(50坪・2022年入居)

項目金額
坪単価20,000円(管理費込・税抜)
月額家賃100万円
礼金0
保証金0ヶ月(格安プラン)
仲介手数料1ヶ月分
フリーレント6ヶ月
退去時原状回復坪70,000円×50坪=350万円

格安プランで初期費用は軽かった分、退去時の原状回復費用が大きくのしかかる契約形態でした。

ケース2:水天宮の自社内装オフィス(65坪・2025年入居)

項目金額
坪単価9,000円(管理費込・税抜)
月額家賃58.5万円
礼金0
保証金5ヶ月分(292.5万円)
仲介手数料1ヶ月分
フリーレント3ヶ月
内装工事費800万円
想定退去時原状回復坪70,000円×65坪=455万円(保証金相殺後 自己負担162.5万円)

中央区内でも比較的安いエリアの古いビルを選び、内装を作り込みコストを投じることで、広くなったのに月家賃が下がるという逆転を実現しました。

水天宮の自社内装オフィス
水天宮の現オフィス。古いビルに自社で内装を作り込み、世界観を反映させました。
水天宮オフィスの執務室(実際の様子)。

累計コスト比較表(仲介手数料・原状回復含む実コスト)

期間八丁堀ケース水天宮ケース差額(水天宮の節約額)
2年2,250万円(月93.8万円)2,249.5万円(月93.7万円)ほぼ同等
3年3,450万円(月95.8万円)2,951.5万円(月82.0万円)▲498万円
5年5,850万円(月97.5万円)4,355.5万円(月72.6万円)▲1,494万円
6年7,050万円(月97.9万円)5,057.5万円(月70.2万円)▲1,992万円
7年8,250万円(月98.2万円)5,759.5万円(月68.6万円)▲2,490万円

分岐点は「3年使うかどうか」

この比較から、以下が見えてきます。

  • 2年で再移転する前提ならセットアップと自社内装はほぼ同等コスト(労力を考えるとセットアップが吉)
  • 3年以上使う見込みなら、自社内装が圧倒的に有利
  • 7年使えば、累計で約2,500万円の差。しかも広さは1.3倍に拡張済み

 

セットアップは長く使うほど月割が上昇します(初期費用やフリーレントの恩恵が薄れる)。
一方、自社内装は長く使うほど月割が下降します(内装投資の年割が薄まる)。

この性質の違いを理解した上で、自社が「何年使うつもりか」を最初に決めることが、最大の判断ポイントです。

④【セットアップオフィスを選ぶべき会社】チェックリスト

以下のいずれかに該当する場合、セットアップの方が合っています。

  • 2〜3年以内の再移転を想定している
  • 急成長フェーズで、人員予測が立てにくい
  • 立ち上げ初期で、機動力を最優先したい
  • 引越しや内装工事に時間を取れない
  • ブランディングよりも、機能的にすぐ動ける環境を求める

 

例えば、IPOを目指して急拡大中のスタートアップ、新規事業の立ち上げで初期人員10名規模で柔軟に動きたい段階の組織、東京進出直後で土地勘もなくまずは試運転的に拠点を構えたい企業――こうした状況であれば、セットアップの「機動力」と「初期コストの軽さ」が圧倒的に効きます。

⑤【自社内装オフィスを選ぶべき会社】チェックリスト

以下のいずれかに該当する場合、自社内装の方が合っています。

  • 5年以上の長期コミットが見えている
  • 採用・ブランディングでオフィスを”資産”として使いたい
  • 古い・安いエリアを内装力で価値変換できる発想がある
  • 内装投資を経費処理できる事業形態にある

 

組織がある程度安定し、人員規模も見通せるフェーズに入ると、月々の固定費を抑えながらブランディングや採用面でのプラスを取れる「自社内装」の選択肢が強くなります。当社(nodomaru)が2025年に水天宮へ移転したのも、まさにこのフェーズに入ったタイミングでした。

⑥ 最初に決めるべきこと

選択を絞り込む最大の問いは、シンプルに1つです。

「このオフィスを、何年使うつもりか」

ここを最初に決めれば、7〜8割の答えは自動的に出ます。

  • 2〜3年なら→ セットアップが有利
  • 5年以上なら→ 自社内装が有利
  • 微妙な3〜4年なら→ 他の判断軸(成長フェーズ・ブランディング戦略・機動力ニーズ)を重ねて判断

 

逆に「何年使うか分からない」のままでスタートしてしまうと、結果的にコスト超過になる確率が高まります。

まとめ

セットアップオフィスと自社内装オフィスは、どちらも「会社のフェーズに合えば最強・合わなければムダになる」性質の契約形態です。一律の正解はありません。

当社(nodomaru)は両方を実際に経験しているので、貴社の状況をヒアリングしたうえで「今のフェーズにはどちらが向いているか」を一緒に検討できます。


事業用物件のご相談は、お気軽に。

nodomaruは、申込や契約を煽ったり、事業者さまに高い金額を提示したり、「今決めないと」と焦らせることを絶対にしません。

だからこそ、

  • セットアップと自社内装、自社の場合どちらが向いているか相談したい
  • 移転先の坪単価・契約条件が相場感に合っているか確認したい
  • 事業用物件の探索段階から、第三者の意見が欲しい
  • 多店舗展開や拠点拡張で、新エリアの物件交渉を任せられる仲介を探している

 

そんな段階のご相談こそ、歓迎しています。

私たちが提供できるのは、不動産プロセスにおける正直な情報と、対等な相談相手としての立ち位置です。

 

縁ある人に、のどかな人生を。

株式会社nodomaru(のどまる)