【リガーレ日本橋人形町】人形町で唯一の39階建タワーマンションを正直に解剖|相場・住み心地・UR賃貸のしくみ

監修:株式会社nodomaru 代表取締役 森田健宏 宅地建物取引士

宅地建物取引業 東京都知事(02)第104535号 / 全日本不動産協会 所属

人形町を歩いていると、甘酒横丁の低い街並みの向こうに、1棟だけ空へ抜けている建物が見えます。リガーレ日本橋人形町。地上39階建て、住宅335戸。人形町の住所で、この高さのマンションはここだけです。

nodomaruの本店は日本橋蛎殻町にあり、この建物の前を毎日のように通っています。「人形町で高層階に住みたい」というご相談をいただくと、賃貸でも売買でも必ず名前が挙がる一棟です。

ただ、良いことばかりではありません。築18年という年数、共用施設の少なさ、投資として見たときの利回りの低さ。この街に住みたい人にとって選択肢が他にないからこそ、良い面と注意点を並べて書いておきたいと思いました。

【この記事の結論】

  • 2007年10月竣工、地上39階地下2階・住宅335戸+店舗事務所31区画の複合建物。13年かけた市街地再開発から生まれた
  • 39階という規模は人形町の住所では唯一。ただし隣の箱崎町には20階建てが2棟あり、「20階以上」で括ると唯一ではない
  • 13階より上の一部はUR賃貸住宅。礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要で、同じ建物でも入り方で初期費用がまるで変わる
  • 1階・2階に寿司、うなぎ、ラーメン、バー、内科、歯科。雨に濡れずに用が足りる反面、人の出入りは多い
  • 周りに競合する高さの建物がなく、上層階の眺望の抜けは口コミでも評価が高い
  • 中古は値上がり基調。ただし表面利回りは2%台後半で、家賃収入を積み上げる物件ではない
  • 築18年で2回目の大規模修繕を迎える時期。修繕履歴と積立金の改定計画が購入検討の最重要チェック

この記事でわかること

  • リガーレ日本橋人形町の建物概要と、13年かけた再開発の経緯
  • 「人形町で唯一のタワーマンション」がどこまで正確なのか
  • 13階から上のUR賃貸住宅のしくみと、費用面のメリット
  • 1階・2階のテナントの顔ぶれと、足元に店がある暮らしの良し悪し
  • 中古価格・賃料・管理費・修繕積立金の目安
  • 住んでいる人の評価(良い点・不満点の両論)
  • 賃貸で借りる場合・購入する場合それぞれの実務ポイント

1. リガーレ日本橋人形町の基本情報

建物概要

正式名称:リガーレ日本橋人形町(LEGARE NIHONBASHI NINGYOCHO)
所在地:東京都中央区日本橋人形町1-12-11(アネックス棟は1-11-12)
竣工:2007年10月(竣工式は同年9月)
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上39階・地下2階
構成:39階建てのタワー棟+3階建てのアネックス棟
戸数住宅335戸+店舗・事務所31区画
間取り・面積:1R〜3LDK、約43〜95㎡(1LDK〜2LDKが中心)
施工:鹿島建設ほかによる共同企業体
管理会社:鹿島建物総合管理
共用部:フロントサービス、内廊下、24時間有人管理、オートロック、防犯カメラ、宅配ボックス、24時間ゴミ出し可、集会室
駐車場:機械式駐車場、バイク置場、駐輪場(空き状況は時期により変動)

足元に神社がある、めずらしい一棟

敷地内には茶ノ木神社があります。日本橋七福神の布袋尊を祀る神社で、再開発にあわせて2008年に社殿が建て替えられました。元日から成人の日までの七福神めぐりの時期には、ここに参拝者の列ができます。

タワーの足元に神社がある。中央区でもそうある景色ではありません。

13年かけた再開発から生まれた建物

この建物は、デベロッパーが土地を仕入れて建てた一般的な分譲マンションではありません。日本橋人形町一丁目地区第一種市街地再開発事業、つまり地権者が組合をつくって共同で建て替えた建物です。

その時間のかかり方が、この街らしさを物語っています。

  • 1995年3月:再開発の研究会が発足
  • 1997年7月:再開発準備組合を設立
  • 1998年11月:東京都から緊急再開発事業促進地区に指定
  • 2000年10月:都市計画決定
  • 2001年9月:再開発組合の設立認可
  • 2003年10月:解体・除却工事に着手
  • 2004年8月:建築工事着工
  • 2007年6月:建物名称が「リガーレ日本橋人形町」に決定
  • 2007年9月:竣工式
  • 2008年12月:再開発組合が解散

 

研究会から竣工まで12年以上。「リガーレ」はイタリア語で「結ぶ」を意味します。細かく分かれた土地の権利と、そこで代々商売をしてきた人たちの思いを1棟に束ねた建物だと考えると、名前の意味がすっと入ってきます。1階に町会の事務所(茶ノ木会館)が入っているのも、この成り立ちがあってこそです。

13階から上の一部はUR賃貸住宅

この建物を語るうえで外せないのが、住戸の一部がUR賃貸住宅だという点です。13階より上のフロアに、UR都市機構が所有する住戸が含まれています。

UR所有の住戸は、浜町のトルナーレ日本橋浜町とあわせて369戸。2018年の入札を経て、2019年2月から東急住宅リースを代表とする共同事業体が運営しています。

借りる側にとって大きいのは費用面です。UR賃貸住宅は礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要。同じ建物の似たような間取りでも、分譲住戸をオーナーから借りるのか、UR住戸を借りるのかで、初期費用と更新時の負担がはっきり変わります。人形町で高層階を探すなら、知っておいて損のない違いです。

2. アクセス|5駅6路線が徒歩圏、T-CATも近い

  • 東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅:徒歩1〜2分
  • 東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町」駅:徒歩3〜4分
  • 東京メトロ東西線「茅場町」駅:徒歩7〜9分
  • 都営新宿線「浜町」駅:徒歩10分前後
  • 東京メトロ銀座線「日本橋」駅:徒歩13分前後

 

駅は5つ、使える路線は半蔵門線・日比谷線・都営浅草線・東西線・都営新宿線・銀座線の6路線。半蔵門線で大手町まで乗り換えなし、東京駅・銀座・新宿・渋谷も乗り換え1回以内で届きます。水天宮前駅に直結する東京シティエアターミナル(T-CAT)から羽田・成田へリムジンバスが出ているので、出張や海外赴任が多い方にはここが肝です。

エリア全体のアクセスや家賃相場は人形町の住みやすさ完全ガイドにまとめています。

3. 「人形町で唯一のタワーマンション」はどこまで本当か

39階クラスは、人形町にここだけ

中央区の高層マンションを階数順に並べると、リガーレ日本橋人形町は39階で区内18位。そして日本橋人形町・蛎殻町・小網町・箱崎町・富沢町といった人形町周辺の住所から上位に入るのは、この1棟だけです。

勝どきや晴海には50階超が並びますが、人形町側では39階でも頭ひとつ抜けます。街を歩いたときの「1棟だけ高い」という印象は、そのまま事実です。

近隣の高層物件との位置関係

ただし「20階以上」まで基準を下げると、近隣にも高層物件はあります。

物件名住所階数竣工
リガーレ日本橋人形町日本橋人形町1丁目39階2007年
セザールスカイリバー日本橋箱崎町20階1999年
Daiwaリバーゲートレジデンス日本橋箱崎町20階1994年
トルナーレ日本橋浜町日本橋浜町3丁目47階2005年

 

箱崎町は首都高と隅田川に挟まれた大きな街区で、まとまった土地を確保しやすかった地域です。浜町のトルナーレも、リガーレと同じく再開発から生まれています。

正確に言うなら、「人形町の住所で、39階クラスはリガーレだけ」

なぜ人形町に高層マンションが増えないのか

人形町は江戸から続く商業地で、土地の権利が細かく分かれています。老舗が代々同じ場所で商いを続けてきた街ですから、まとまった敷地を確保して高く建てること自体が難しい。リガーレが13年かけてようやく建ったという事実が、その難しさをそのまま表しています。

つまり、この街で39階建てが次々に増える可能性は構造的に低い。希少性が今後も維持されやすいという点は、資産性を考えるうえで見落とせません。

4. 足元に店がある暮らし|1階・2階のテナント

飲食店の顔ぶれ

1階と2階は店舗・事務所の区画です。飲食店の顔ぶれはこのとおり。

 

2階には台湾発の鉄板焼「明水然・楽」も2024年に入りました。寿司とうなぎの専門店があり、家族で入れるファミリーレストランがあり、深夜まで開くバーもある。そのまま生活のインフラになる構成です。

飲食以外のテナント

内科・小児科の玉寄クリニックみなと歯科リガーレ日本橋人形町、理美容サロン、生活雑貨店、不動産会社や業界団体の事務所などが入っています。

内科と歯科が同じ建物にあるのは、子育て世帯にも高齢の方にも便利です。

足元に店があることの良し悪し

良い点はシンプルです。雨の日でも外に出ずに食事と通院が済む。荷物が重い日も、体調が悪い日も、エレベーターで降りれば用が足ります。

一方で、商業区画がある建物には不特定多数の人が出入りします。居酒屋やバーが入っていることに触れる住民の声もあります。低層階や、店舗の排気設備に面した向きの住戸は、匂いと音を現地で確かめてから決めるべきです。内見はできれば、店が開く夕方以降をおすすめします。

5. 眺望|周りに競合する高さがない

この建物で評価が高いのが眺望です。理由は単純で、周りに同じ高さの建物がないから。近隣で20階を超えるのは箱崎町の2棟と浜町のトルナーレだけで、いずれも距離があります。

住んでいる方からは、こんな声が挙がります。

  • 「高層階からは東京タワーやスカイツリーが見える」
  • 「周りに建物が迫っていないので採光が良く、部屋が明るい」

 

ただし方角と階数で見え方はまったく違います。南側は浜町のトルナーレが視界に入る位置関係で、低層階は周辺ビルの影響を受けます。眺望が目的なら、階数と向きを指定して内見するのが前提です。

6. 相場|中古・賃貸・ランニングコスト

中古の売買価格

売出価格は、コンパクト住戸で4,000万円台後半から。広めの住戸やリノベーション済みになると1億円台後半から2億円台まで幅があります。

坪単価は500万円台から660万円台まで幅があります。3年前と比べると4割前後上がっている計算です。

ネットに出ている査定価格は、集計のしかたが違えば同じ建物でも数字がそろいません。検討する段階では推定値ではなく、直近の成約事例を見て判断してください。売買と賃貸の考え方そのものは賃貸を続けるか、購入するかでも整理しています。

賃貸の相場

直近の募集は20万円台が中心。コンパクトな1LDKで20万円前後、広めの住戸で30万円台という水準です。

分譲住戸はオーナーごとに内装も設備も条件も違います。同じ間取りでも、リフォーム済みかどうかで数万円の差が出ます。前述のUR住戸は礼金・仲介手数料・更新料がかからないので、2年・4年の総支払額で比べると印象が変わることがあります。

管理費・修繕積立金

売出事例から見ると、70㎡台で管理費が2万円台前半、修繕積立金が1万円台前半。㎡あたりでは管理費300円前後、修繕積立金260円前後という水準です。

この築年数・この規模のマンションとしては、修繕積立金は高いほうではありません。毎月の負担が軽いのはありがたい話ですが、裏を返せば今後の増額余地があるということでもあります。

7. 住み心地の実態|メリットと注意点の両論

評価されている点

  • 高層階の眺望と採光。周囲に高い建物が迫っていない
  • 駅の近さと路線の多さ。T-CATまで歩けるので出張の多い人に向く
  • フロントサービスと24時間ゴミ出し
  • 老舗と新しい店が共存する街の空気
  • 足元に飲食と医療がそろう利便性

 

不満として挙がる点

  • 築18年相当の設備。外観に年数を感じるという声
  • ジム・プール・ゲストルームのような大型共用施設がない
  • フロントサービスの役割が限定的だという指摘
  • 周辺相場と比べて賃料が高めという評価
  • 商業区画があることによる人の出入り

 

共用施設が少ないことをどう見るか

ここは見方が分かれるところです。ラウンジやジムを備える物件は管理費が高くなりやすく、修繕の対象も増えます。設備が少ないことは、ランニングコストを抑える方向には働きます。

共用施設の充実度で選ぶなら、主戦場は勝どき・晴海です(勝どき・晴海タワーマンション徹底比較)。人形町に住みたい人にとっては、そもそも他に選択肢がないという前提で天秤にかけることになります。

8. 投資として見たとき|利回りは低い、流動性は高い

購入して賃貸に出す前提で考えると、数字は厳しくなります。表面利回りは2%台後半。管理費・修繕積立金・固定資産税を引いた実質利回りは、そこからさらに下がります。

一方で流動性は高く、売り出してから短期間で決まる事例が目立ちます。値上がり実績もあります。

まとめると、家賃収入を積み上げる物件ではなく、住みながら資産価値を保つ、あるいは将来の売却を見据える物件。ワンルーム投資のように収支で回す発想で買うと、期待とは噛み合いません。

9. 今後の展望|日本橋の再開発と首都高の地下化

エリアの環境を左右する動きが2つあります。

1つは日本橋の再開発。日本橋一丁目中地区の再開発は街区名称が「東京ミッドタウン日本橋」に決まり、中核となる52階建て・高さ約284mのタワーが2026年9月末に竣工、2027年秋のグランドオープンが予定されています。人形町から歩ける距離に、商業・オフィス・ホテルの大型拠点ができます。

もう1つは首都高速道路の日本橋区間の地下化。江戸橋JCTから神田橋JCTまでの約1.8kmが対象で、地下ルートの完成は2035年度、高架橋の撤去完了は2040年度の予定です。日本橋川沿いの景色は、長い時間をかけて変わっていきます。

建物側では、築18年で2回目の大規模修繕を検討する時期にあたります。実施履歴や今後の計画はネット上には出てきません。購入を検討する段階で、管理会社に直接確認すべき項目です。

10. 検討者向け実務アドバイス

賃貸で検討する人

  • UR住戸は礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要。初期費用で比べると差が大きい
  • 分譲住戸は所有者ごとに設備も条件も違う。写真ではなく現地で確認する
  • 眺望を重視するなら階数と方角を指定して探す。低層階は周辺ビルの影響を受ける
  • 1〜3月は動きが速い。条件を絞り込むなら閑散期のほうが選びやすい
  • 商業区画に近い住戸は、店が営業している時間帯に内見する

 

購入で検討する人

  • 重要事項調査報告書で修繕積立金の残高・滞納状況・大規模修繕の履歴を確認する(読み方は修繕積立金が多ければ安心?で解説しています)
  • 長期修繕計画と、積立金の値上げ予定を必ず確認する
  • リノベーション済みかどうかで、購入後にかかる費用が変わる
  • 推定価格ではなく成約事例で相場観をつくってから、価格交渉に入る
  • 管理体制や規模から見る判断軸はマンション購入は「30戸」が目安?も参考になります

 

共通の監視ポイント

  • 中央区の中古相場の推移と金利の動向
  • 修繕積立金の改定
  • 1階・2階のテナントの入れ替わり
  • 東京ミッドタウン日本橋の開業後の人の流れ

 

よくある質問

Q1. 築何年ですか?

2007年10月竣工なので、2026年時点で築19年目に入ります。

Q2. 家賃はどのくらいですか?

直近の募集は20万円台が中心です。間取り・階数・リフォームの有無で幅があります。UR住戸か分譲住戸かで初期費用も変わります。

Q3. 本当に人形町で唯一のタワーマンションですか?

39階クラスとしては、人形町の住所で唯一です。20階以上まで広げると隣の箱崎町に20階建てが2棟、浜町には47階建てのトルナーレ日本橋浜町があります。

Q4. 駐車場はありますか?

機械式駐車場があります。空き状況と月額は時期によって変わるため、検討時点での確認が必要です。

Q5. ペットは飼えますか?

住戸によって条件が異なります。分譲住戸を借りる場合はオーナーの方針にもよるので、個別にご確認ください。

まとめ

リガーレ日本橋人形町は、13年かけた再開発から生まれた、人形町で唯一の39階建てです。足元に店と医療機関があり、上層階の眺望は周りに競合がないぶん素直に抜けています。UR住戸が混ざっているという、あまり知られていない一面もあります。

同時に、築18年の設備、共用施設の少なさ、低い利回り、これから迎える大規模修繕という現実もあります。どちらも本当の姿です。

人形町に住みたい人にとって、高層階の選択肢は実質ここしかありません。だからこそ、良い面だけでなく注意点も知ったうえで選んでほしいと思っています。募集状況や過去の成約事例の見方は、地元の不動産屋として個別にお伝えできます。

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