2025.11.24 中央区エリア特集, 住まいの情報
オフィス移転を検討するとき、多くの企業が最も悩むのは「どのエリアに移るか」よりも「どんな契約形態を選ぶか」です。
近年、中央区でもよく選ばれている2つの選択肢があります。それが「セットアップオフィス」と「自社内装オフィス」。どちらが正解かは、会社のフェーズ・成長見通し・ブランディング戦略によって変わります。
当社(nodomaru)は実際に、2022年に八丁堀のセットアップオフィス(50坪)に入居し、2025年に水天宮の自社内装オフィス(65坪)へ移転しました。両方を経験したからこそ見えてきた判断軸とリアルなコスト比較を、本記事で正直にお伝えします。
「自社の場合はどちらか」を判断する材料として、ぜひ最後までご覧ください。
内装・什器・(通信設備)が既に整っている状態で貸し出されるオフィスです。入居後すぐに業務を開始できる即効性が最大の特徴です。
セットアップオフィスには大きく2タイプあります。
どちらも「内装工事不要・すぐ稼働できる」点が共通しています。
セットアップオフィスは、周辺相場より坪単価が5,000〜10,000円ほど高いことが多いです。理由は明確に2つあります。
1. 内装工事費が月額家賃に転嫁されている
会議室の什器、おしゃれな内装、Wi-Fi、複合機等、初期に貸主が投資した費用は、毎月の家賃に分割で乗せられています。入居者からすると「内装費を月額分割で支払っている」イメージです。
2.「機動力」というサービス価値が含まれている
通常のオフィス移転には2〜3ヶ月の準備期間が必要ですが、セットアップなら1日で引越し完了・翌日から営業開始が可能です。この時間的価値も家賃に内包されています。
つまり、坪単価の高さは「単に割高」ではなく「内装費と機動力を月額化した結果」と理解するのが正確です。
スケルトン状態または一般的な事務所仕様の物件に入居し、自社の費用で内装工事を行うタイプです。物件選びから引渡しまでに時間はかかりますが、その分自由度が高いのが特徴です。
ここからは、当社が実際に支払ったリアルな数字をもとに、セットアップと自社内装のコスト構造を比較していきます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 坪単価 | 20,000円(管理費込・税抜) |
| 月額家賃 | 100万円 |
| 礼金 | 0 |
| 保証金 | 0ヶ月(格安プラン) |
| 仲介手数料 | 1ヶ月分 |
| フリーレント | 6ヶ月 |
| 退去時原状回復 | 坪70,000円×50坪=350万円 |
格安プランで初期費用は軽かった分、退去時の原状回復費用が大きくのしかかる契約形態でした。
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| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 坪単価 | 9,000円(管理費込・税抜) |
| 月額家賃 | 58.5万円 |
| 礼金 | 0 |
| 保証金 | 5ヶ月分(292.5万円) |
| 仲介手数料 | 1ヶ月分 |
| フリーレント | 3ヶ月 |
| 内装工事費 | 800万円 |
| 想定退去時原状回復 | 坪70,000円×65坪=455万円(保証金相殺後 自己負担162.5万円) |
中央区内でも比較的安いエリアの古いビルを選び、内装を作り込みコストを投じることで、広くなったのに月家賃が下がるという逆転を実現しました。

| 期間 | 八丁堀ケース | 水天宮ケース | 差額(水天宮の節約額) |
|---|---|---|---|
| 2年 | 2,250万円(月93.8万円) | 2,249.5万円(月93.7万円) | ほぼ同等 |
| 3年 | 3,450万円(月95.8万円) | 2,951.5万円(月82.0万円) | ▲498万円 |
| 5年 | 5,850万円(月97.5万円) | 4,355.5万円(月72.6万円) | ▲1,494万円 |
| 6年 | 7,050万円(月97.9万円) | 5,057.5万円(月70.2万円) | ▲1,992万円 |
| 7年 | 8,250万円(月98.2万円) | 5,759.5万円(月68.6万円) | ▲2,490万円 |
この比較から、以下が見えてきます。
セットアップは長く使うほど月割が上昇します(初期費用やフリーレントの恩恵が薄れる)。
一方、自社内装は長く使うほど月割が下降します(内装投資の年割が薄まる)。
この性質の違いを理解した上で、自社が「何年使うつもりか」を最初に決めることが、最大の判断ポイントです。
以下のいずれかに該当する場合、セットアップの方が合っています。
例えば、IPOを目指して急拡大中のスタートアップ、新規事業の立ち上げで初期人員10名規模で柔軟に動きたい段階の組織、東京進出直後で土地勘もなくまずは試運転的に拠点を構えたい企業――こうした状況であれば、セットアップの「機動力」と「初期コストの軽さ」が圧倒的に効きます。
以下のいずれかに該当する場合、自社内装の方が合っています。
組織がある程度安定し、人員規模も見通せるフェーズに入ると、月々の固定費を抑えながらブランディングや採用面でのプラスを取れる「自社内装」の選択肢が強くなります。当社(nodomaru)が2025年に水天宮へ移転したのも、まさにこのフェーズに入ったタイミングでした。
選択を絞り込む最大の問いは、シンプルに1つです。
「このオフィスを、何年使うつもりか」
ここを最初に決めれば、7〜8割の答えは自動的に出ます。
逆に「何年使うか分からない」のままでスタートしてしまうと、結果的にコスト超過になる確率が高まります。
セットアップオフィスと自社内装オフィスは、どちらも「会社のフェーズに合えば最強・合わなければムダになる」性質の契約形態です。一律の正解はありません。
当社(nodomaru)は両方を実際に経験しているので、貴社の状況をヒアリングしたうえで「今のフェーズにはどちらが向いているか」を一緒に検討できます。
nodomaruは、申込や契約を煽ったり、事業者さまに高い金額を提示したり、「今決めないと」と焦らせることを絶対にしません。
だからこそ、
そんな段階のご相談こそ、歓迎しています。
私たちが提供できるのは、不動産プロセスにおける正直な情報と、対等な相談相手としての立ち位置です。
縁ある人に、のどかな人生を。
株式会社nodomaru(のどまる)