「そろそろ一緒に住みたい」
——同棲を始めるタイミングで、多くのカップルが最初に直面するのが「どんな間取りにするか?」という悩みです。
家賃、広さ、立地、生活スタイルなど、条件を気にし出すとキリがない…
そんな同棲されるお客様の中でも人気が高いのが1LDKという間取りです。
でも本当に、2人暮らしには十分な間取りなのでしょうか?
この記事では、実際に不動産営業の現場で感じたリアルなエピソードを交えながら、1LDKで2人暮らしをする際のメリット・デメリット、そして失敗しない物件選びのコツを紹介していきます。
1LDKとは、「1部屋+リビングダイニングキッチン」という間取りのことを指します。ワンルームや1Kとは異なり、寝室とリビング空間を分けられるのが特徴です。
広さは30㎡〜50㎡程度が一般的。
リビングと寝室をしっかり区切れることで、生活空間にメリハリが出たり、喧嘩した時に相手の顔を見なくて済んだり(笑)
ただし、1LDKにも様々なタイプがあります。
縦長のリビングで家具配置が難しい物件もあれば、角部屋で日当たりや風通しが良い物件、天井が高く実際よりも広く感じる物件もあります。
間取り図だけでは見えない「暮らしやすさ」が、内見での大事なチェックポイントになります。
1LDKを選ぶ最大のメリットは、やはり家賃が抑えられることが挙げられます。
都心部で2LDK以上の物件を探すと、相場は一気に高くなりますが、1LDKなら比較的手頃な家賃で見つけやすくなります。
例)中央区エリア 1LDK相場23万円、2LDK相場28万円
また、生活動線がコンパクトで効率的なのも魅力。
掃除や洗濯などの家事が時短で済み、必要な物がすぐ手に届く距離感も◎。
さらに、物理的な距離が近いことで、心の距離も縮まるという声も。
リビングで会話をしたり、料理を一緒に作ったりと、自然と共有時間が増えるのも1LDKならではの魅力です。
ただし、1LDKの2人暮らしには落とし穴もあります。
実際に、30㎡の1LDKに入居されたカップルのお客様がいらっしゃいました。入居前は「寝室とリビングで分かれているから大丈夫」とおっしゃっていたのですが、実際には在宅ワーク×シフト勤務という生活リズムの違いがストレスに。
リビングと寝室が同一空間に近いため、夜勤明けで寝ているパートナーの横でオンライン会議をすることになったり、生活音に気を使いすぎて疲弊してしまったり…。結果的に半年で解約となってしまいました。
「間取り」だけでなく「暮らし方」も視野に入れて選ぶ必要があります。
1LDKでの2人暮らしを快適にするためには、最低でも40㎡以上を目安にするのがおすすめです。30㎡台では物理的な距離が近くなりすぎるため、プライベートな時間が取りにくくなる可能性があります。
47㎡の1LDKに住むことになったカップルのお客様は、お互いの「譲れないもの」をリストアップしてから部屋探しをスタート。
例えば、彼は趣味であるゲームができるスペースを、彼女はドレッサーと観葉植物のスペースを確保したいという希望がありました。
内見の際は、実際に持っている家具の寸法を測った紙を持参し、間取り図にその場で当てはめながら検討。結果、リビングにやや変則的な凹みがあった物件が、2人の希望をピタッと叶える「ベストな形」になりました。
大切なのは「ぴったりな物件を見つけること」ではなく、「自分たちの暮らしを想像しながら間取りを読み解くこと」。
1LDKでの2人暮らしは、“アリ”です。
でもそれは、「間取りと2人の相性が合っていれば」の話。
・最低40㎡以上を目安にする
・家具配置や収納など、工夫できるポイントを見逃さない
・生活導線や入居後の生活イメージ考える
この3つを意識するだけで、失敗のリスクはぐっと減らせます。
「これから同棲を始めたいけど、間取りで迷っている…」そんな方は、まず1LDKを候補に入れつつ、ぜひ一度内見してみてください。実際の広さや光の入り方、生活のイメージは、写真だけじゃわからないものです。
そして迷ったときは、プロに相談を。現場でたくさんのカップルと向き合ってきたからこそ伝えられる、“暮らし方ありきの物件選び”を一緒に考えましょう。