【賃上げ政策は成功か?】共働き夫婦のペアローンが危険な理由|プロが語る落とし穴と対策

最近、nodomaruにご相談いただくお客様の中で、共働きご夫婦のペアローン検討が急激に増加しています。2024年の調査では、夫婦で住宅ローンを組む割合が約4割に達し、過去最高水準を記録しました。

特に都心でキャリアを積まれているお二人が、タワーマンションなど資産性の高い物件を狙い、

ペアローンで借入額を増やそうとするケースが目立ちます。

確かにペアローンは魅力的な選択肢です。しかし不動産のプロとして、そしてお客様の豊かなライフプランに寄り添うパートナーとして、輝かしいメリットの裏に潜む重大なリスクについても正直にお伝えする責任があると考えています。

この記事では、夢のマイホーム購入で後悔しないために、ペアローンの本当のメリット・デメリットと、安心できる住宅購入戦略を詳しく解説します。

共働き夫婦の住宅ローン相談


共働き夫婦に広がるペアローンの現状

ペアローンの仕組み図解

急増するペアローン利用者

2025年最新データによると、共働き夫婦の住宅ローン利用状況は以下の通りです:

  • ペアローン利用率:約40%(前年比+5.2%増)
  • 平均借入額:6,800万円(単独ローンより約1,800万円高)
  • **20代夫婦の長期返済:**40〜50年返済が1割超え

特に首都圏の新築マンション価格高騰(平均価格8,000万円超)を受け、「ペアローンでなければ希望物件に手が届かない」という状況が背景にあります。

ペアローンとは?基本の仕組み

ペアローンは、夫婦それぞれが個別に住宅ローンを組み、一つの物件を共同購入する方法です。

基本構造

  • 契約本数:2本(夫婦それぞれ)
  • 保証人:互いが連帯保証人
  • 所有権:出資割合に応じて共有
  • 返済責任:各自の契約分のみ

ペアローンのメリット|魅力の光と影

まず、多くのご夫婦がペアローンに魅力を感じる理由を整理してみましょう。

メリット1:借入可能額の大幅増加

具体例で比較

  • 夫単独(年収600万円):借入可能額約4,200万円
  • ペアローン(夫600万円+妻400万円):借入可能額約7,000万円
  • 増加額:約2,800万円

これにより、立地・広さ・設備で妥協することなく、理想の住まいに手が届く可能性が高まります。

メリット2:住宅ローン控除の最大化

2025年住宅ローン控除制度

  • 控除率:年0.7%
  • 控除期間:最大13年間
  • 借入限度額:
    • 認定住宅:5,000万円
    • ZEH水準省エネ住宅:4,500万円
    • 省エネ基準適合住宅:4,000万円

ペアローンの節税効果例 夫婦で4,000万円ずつ借入した場合:

  • 年間控除額:最大56万円(夫28万円+妻28万円)
  • 13年間総控除額:最大728万円

これは単独ローンでは得られない大きなメリットです。

メリット3:団信保障の二重化

夫婦それぞれが団体信用生命保険に加入するため、どちらかに万が一のことがあっても、その分のローン残債は完済されます。


見過ごされがちな5つのリスクと落とし穴

団信保険の仕組み

しかし、これらのメリットの裏には、多くの方が見落としがちな深刻なリスクが潜んでいます。

リスク1:諸費用の二重負担

ペアローンは2本の契約のため、各種費用が重複します。

追加費用の例

  • 印紙代:2万円→4万円
  • 事務手数料:借入額の2.2%×2本分
  • 登記費用:共有登記のため複雑化
  • 火災保険:共有名義での契約調整

実際の負担増:借入額6,000万円の場合、約50〜80万円の追加費用が発生する可能性があります。

リスク2:片方死亡時の深刻な返済負担

これが最も危険な落とし穴です。

危険なシナリオ

  1. 夫2,500万円、妻2,500万円でペアローン
  2. 夫が急逝→夫の分は団信で完済
  3. 妻の2,500万円は残債として継続
  4. 世帯収入が激減した中での返済継続

収入合算ローンとの違い

  • 収入合算:主債務者死亡でローン全額完済
  • ペアローン:死亡した分のみ完済、相手方分は継続

リスク3:ライフプラン変化への脆弱性

典型的な変化とリスク

ライフイベント影響リスク度
出産・育児片方の収入減・休職★★★
転職・キャリアチェンジ収入変動★★★
親の介護働き方制限★★☆
病気・怪我長期休職★★★

実例:手取り合計50万円で月返済20万円のペアローンを組んだ夫婦。妻の産休・育休で世帯収入が35万円に減少し、返済が家計を圧迫するケースが増加しています。

リスク4:離婚時の複雑な財産分与

離婚時の問題点

  • 債務分離不可:金融機関の同意が必要
  • 売却困難:オーバーローン状態では売却不可
  • 連帯保証継続:離婚後も保証責任が残る
  • 持分調整:ローン残債と持分割合の不一致

実際の対処法

  1. どちらかがローンを一本化(要審査)
  2. 任意売却(損失の自己負担必要)
  3. 賃貸化(管理・税務の複雑化)

リスク5:金利上昇時の二重打撃

変動金利の場合、2本のローンそれぞれに金利上昇の影響が及びます。

金利上昇シミュレーション 借入額:夫3,000万円、妻2,000万円の場合

  • 0.5%→1.5%上昇時:月返済額約3.8万円増
  • 0.5%→2.5%上昇時:月返済額約7.2万円増

ペアローンが向かない夫婦の特徴 {#unsuitable}

住宅ローン相談風景

以下の特徴に当てはまる場合は、ペアローン以外の選択肢を検討することをお勧めします。

収入面の不安定要素

  • 片方が転職・独立を検討中
  • 収入の変動が大きい職業(営業職、フリーランス等)
  • 近い将来の出産・育児を計画中

ライフプラン面の変化要素

  • 片方の親の介護が現実的
  • 海外赴任の可能性
  • 地方移住を将来的に検討

リスク許容度の問題

  • 「借りられる上限まで借りたい」思考
  • 緊急時の貯蓄が少ない(年収の半年分未満)
  • 金利上昇リスクへの備えが不十分

nodomaruが提案する安心の住宅購入戦略

住宅ローン戦略相談

私たちの基本方針

nodomaruでは、**「借りられる額」ではなく「安心して返せる額」**を最優先に考えます。

安心の住宅購入3原則

  1. 将来の収入減を想定した返済計画
  2. ライフプラン変化への柔軟な対応力
  3. 夫婦それぞれのリスク許容度の把握

ペアローン以外の選択肢

収入合算ローン(連帯債務型)

  • メリット:主債務者死亡時にローン全額完済
  • 適用:フラット35、一部都市銀行
  • 推奨:安定性重視の夫婦

単独ローン+贈与

  • メリット:シンプルな債務関係
  • 注意:贈与税の計算が必要
  • 推奨:片方の収入が十分な場合

段階的購入戦略

  • 第1段階:現在の収入で無理なく買える物件
  • 第2段階:収入増加後に住み替え
  • メリット:リスクの分散化

nodomaruの個別サポート内容

ライフプランシミュレーション

  • 10年後、20年後の家計状況予測
  • ライフイベント別リスク分析
  • 最適な借入額・返済期間の提案

金融商品比較

  • 複数銀行の条件比較
  • 金利タイプ別シミュレーション
  • 団信・火災保険の最適化

アフターフォロー

  • 定期的な家計見直し
  • 借り換えタイミングの提案
  • ライフプラン変化時の相談対応

よくある質問への回答

Q:ペアローンと収入合算、どちらがお得? A:控除額だけで判断せず、リスク許容度とライフプランを総合的に考慮することが重要です。

Q:既にペアローンを組んでいる場合の対策は? A:借り換えや保険見直しで リスクを軽減できます。早めのご相談をお勧めします。

Q:離婚リスクを考えるとペアローンは避けるべき? A:離婚率だけでなく、お二人の価値観・将来設計の一致度を重視して判断してください。


まとめ:安心できる住宅購入のために

ペアローンは確かに魅力的な選択肢ですが、すべての夫婦に適した万能の解決策ではありません

重要なポイント

  • メリットだけでなくリスクも正しく理解する
  • 現在の収入だけでなく将来の変化も考慮する
  • 夫婦の価値観・ライフプランとの整合性を重視する
  • 専門家の客観的なアドバイスを活用する

私たち株式会社nodomaruの使命

私たちは単なる物件紹介業者ではありません。不動産を通じて、お客様の「のどかな人生」を実現することが使命です。

ペアローンという選択肢が、お二人の輝かしい未来にとって本当に最良の道なのか。私たちは、お客様の価値観や将来の夢に真摯に耳を傾け、不動産と金融のプロフェッショナルとして、長期的な視点から最適なご提案をいたします。

住宅購入は人生最大の買い物です。だからこそ、目先のメリットに惑わされることなく、10年後、20年後も安心できる選択をしていただきたいと考えています。

住宅ローンや資金計画にご不安がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に、安心できる未来への第一歩を踏み出しましょう。


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